英語コーチングb01

カナダでのワーキングホリデー体験記

今からなんと(!!笑)20年近くも前になりますが、大学3年生の時、カナダにワーキングホリデーに行きました。今回のブログでは私のワーホリ体験記を書いてみたいと思います。

大学での私の専攻は外国語学部フランス学科。入学前は興味のあったフランス語やフランス文化。「これからは英語と日本語だけでなく、やっぱり3ヶ国語くらい話せなきゃね!」と
考えが甘かったのもあり、フランス学科に入学したのは良かったのですが、大学で授業をとるにつれて、私の興味があるのはフランス語ではなく英語であることをひしひしと感じるように・・・大学2年生の夏休みに、成人式の着物の代わりに祖母からプレゼントしてもらった6週間のフランス短期留学から帰ってきた時が私のフランス語力の最盛期。そこからは下がる一方で、本当にお恥ずかしい話ですが、卒業から10年以上経った今、フランス語を話すことはほぼできません。

フランス学科だったのになぜカナダ?というお話しですが、正直に「フランス語ではなく英語が学びたいんです」とフランス人教授にお話しをしたところ、「Non! Non! フランス学科なんだからアメリカはだめでしょ!」と反対されてしまったのです。カナダであれば、公用語は英語とフランス語。フランス人からするとカナダ人のフランス語はフランス語ではないという人もいますが、「モントリオールでちゃんとフランス語を学んできます!」と教授を説得し、「アメリカじゃないなら……」と渋々OKをもらい、カナダに1年間行くことを決めました。フランスであれば、留学先で単位をとって4年間で卒業できるというコースもあったのですが、私の興味は完全にカナダに移ってしまっていたので休学してみんなと卒業がズレるとしてもその選択肢しかありませんでした。

私はまずモントリオールに半年間滞在することを決め、日本にいる間に語学学校とホームステイ先を決めました。ワーキングホリデーは国によって条件が異なり、変更もあるので最新の情報はぜひご自身で確認をしていただきたいのですが、カナダの場合は最長6か月間学校に通うことができます。ワーキングホリデーの目的が語学の習得ではないため、半年以上学校に通いたい場合は、ワーキングホリデービザではなく学生ビザを取得する必要があります。

両親はワーキングホリデーに全く反対しませんでしたが、留学費用は自分で出すことが条件だったため、ワーキングホリデーで安く済ませることができたのはとても助かりました。飛行機のチケットを帰りの分も予約しておかないとカナダに入国ができないので(そのまま不法滞在されたら困る!ということで、帰る意思があることを証明しなくてはいけないのです……)1年オープンの高い航空券と、1年間の保険、そして語学学校の費用とホームステイ代で、最初の出費は100万円ほどだったかと思います。そして、7か月目からは、寮生活しながらレイクルイーズのスキー場で仕事もしていたので、アメリカやイギリスの大学に正規留学する場合の費用とは比べ物にならないくらいお手頃価格で海外滞在経験を実現することができました。もちろん大学に正規留学することでしか得られないものもたくさんあると思うので、費用だけで比較することは全くできません。

ただ、大学生で親からの経済的支援を受けず、「海外に住んでみたい!」の目標を達成するにはワーキングホリデーは素晴らしいプログラムですし、ぜひ多くの方に体験してほしいなと思っています。

さて、皆さんが「海外でホームステイをしたい!」と思ったときに想像する家族はどのような家族ですか?きっと30〜40代の夫婦と可愛い幼稚園から小学生くらいの子供が二人・・・といった家族を想像する方が多いのかなと思います。私も小さい子供がいるといいなと期待していたのですが、お世話になることになった家族は60代くらいの女性一人暮らしのお宅。でも、このホストマザーとの出会いがなければ私のカナダ生活の充実度は半減していたのではないかと思うくらい素敵なホストマザーで、私のことを本当の家族のように大切にしてくれました。いつも手作りの料理を作ってくれ、私が「便秘で辛い!」と言ったらプルーンジュースを用意してくれたり、「アイスが好き!」と言ったら「一緒にアイスを食べよう!」と夕食後にテレビを見ながら一緒にアイスを食べるのが二人の日課になったり。(そのおかげでみるみるうちに5キロくらい太りましたが!)私の学校からの帰りをいつも楽しみに待っていてくれて、「今日は学校でどんなことがあったの?」といろんな話をしたのを今でもよく覚えています。毎年クリスマスカードを送ったり、メールをしたりはするのですが、コロナが収まったら、娘を連れて彼女のところに会いに行きたいなと思っています。

話は変わりますが、カナダの冬は長く、時にはマイナス25度〜30度になることもあるくらいの極寒です。自分の吐く息でまつ毛や眉毛で凍ります。スノーボードをするときも、しっかりを顔全体を覆っておかないとすぐに凍傷になります。私がカナダにいた年は、初雪が8月に降りました。ちょうどその時、仕事の面接でカルガリー空港からレイクルイーズにいたのですが、カナディアンロッキーの壮大な自然に囲まれ、雪がちらつく中で「私、カナダにいるんだ〜!」と実感したことを覚えています。

ワーキングホリデーであれば仕事をしても良い!とは言っても、短期間しか滞在できない社会人経験もない学生がそんなに簡単に仕事が決まるとは限りません。日本食レストランや日本人観光客の多い街のお土産屋さんで仕事をしている人が多かった印象ですが、私はどうしても日本人相手ではない仕事がしたいと考えていました。(そのためには日本にいる間にできるだけ英語力を高めておくことが大切です!)そしてレイクルイーズのスキー場で面接を受け、仕事をすることが決まりました。
(レイクルイーズのHPはこちら:https://www.skilouise.com/
日本人にはバンクーバーにあるウィスラーの方が有名かもしれませんが、海外ではレイクルイーズはウィスラー以上に有名で、世界中からスキーヤーやスノーボーダーがやってきます。200人ほどいる同僚のほとんどがカナダ人で、他にはアメリカ人、イギリス人、オーストラリア人、そして数名のアジア人。宿泊先は寮を申し込み、そこではインターナショナルな仲間と一緒に生活しながら、仕事をし、休日や休憩時間は毎日のようにスノーボードをするという夢のような生活を送っていました。もちろん若者がそれだけたくさん集まればトラブルも毎日のように発生していましたが、あのような貴重な経験は私の人生においてきっとあそこでしかできなかったでしょう。

この頃の私は海外への憧れが強く、日本のことをちゃんと知ろうともしないのに「日本ってダサい」と、ただただ海外に憧れる残念な日本人でした。しかし、スキー場にあるスターバックスで働いていると、世界中からやってきたスキーヤーたちが、「日本人なの?」とフレンドリーに話しかけてくれ、その後いつも「日本って素敵な国だよね!」「日本に行ったことがあるけど日本食も日本の文化も大好きだよ」「日本に行きたいんだけどどこがおすすめかな?」と話しかけてくれたのです。彼らの表情から日本に対して憧れや魅力を感じているのがよく伝わりました。そして、私は、日本人であることを誇りに思う初めての経験をしたのです。日本にいると当たり前のことが、海外では当たり前ではありません。これまでは当然と思っていた日本のある側面が、ものすごく魅力だったり、逆に、あの日本独特の価値観って変だよね?と気付くことがあったり。海外に出ることで、私の狭い視野が何倍にも広がり、多様性を楽しめるように…… 人と違うこと、「個性」が魅力と思えるようになったのではと思います。このような経験ができたことは、私がワーキングホリデーに行って感じた最大の魅力の一つです。また、この経験のおかげで私の日本に対する認識が変わるきっかけとなり、「海外の人に色々聞かれたらちゃんと日本のことを伝えられるようになろう。もっと日本について知ろう」とも考えるようになりました。

今思い返しても、カナダでの1年間は本当に楽しかった思い出がたくさん詰まった、私の人生においてとても大切な1年間です。

もしかしたらコロナ禍で海外留学やワーキングホリデーを諦めた方もいらっしゃるかもしれません。私も専門学校で講師をしているので、学生たちの悩みを耳にする機会がよくあります。もしそのような状況にいる方がこのコラムを読んでくださっているとしたらぜひお伝えしたいことがあります。私がいつも大切にしていること。それは「やらなかったことを後悔するのだけは絶対にいや!」という思いです。人が亡くなる時、非常に多くの人が口にするのが「〇〇しとけば良かった」という後悔だというお話を皆さんも聞いたことがあるかと思います。何かをして失敗したことより、やりたかったことに挑戦しなかったことへの後悔を多くの人が口にするそうです。今はこんな自由人な私も、学生時代はまだまだ「こうあるべき」という誰かの価値観に縛られていることが多く、「4年生の大学を卒業したら、大手企業に正社員として勤めるべき。20代で結婚して、出産して、いいお母さんになるべき。」と信じて疑いませんでした。だから社会人になって留学するとか、大学院に行って学び直すという選択肢があることを考えることもありませんでした。でも、今は「社会人となって自分が本当にやりたいことがわかった今だからこそ留学すべき」と思っています。もしなんらかの事情で留学やワーキングホリデーなどを諦めた方がいたら、今でなくても、必ずそのチャンスを作ることができると信じて、今できることを頑張ってください。日本でできる限り英語力を伸ばしておいた方が、海外生活が充実することは間違いありません。今よりもずっと英語力を伸ばして、より充実した海外生活を送れるように、今ある時間を丁寧に過ごして欲しいなと思っています。

私も今の目標の一つが大学院留学です。娘を連れての大学院留学は多くの困難もあるかもしれません。でも、挑戦しなかったことを後悔する人生なんていやなんです。だからきっと実現します。皆さんも一度きりの人生、今しかできないことに挑戦してみてくださいね!応援しています。

サービスへのお申込み、掲載内容に関するご質問、ご意見、ご相談などは、
上記、「お問い合わせ」ボタンより移動先のお問い合わせフォームから、お気軽にお問い合わせください